リフォームして数年で、家の建て替えとなりまだ使えるユニットバスがもったいない、まだ利用したいと思っている人がいるのではないでしょうか。
今回ご紹介するのはユニットバスの再利用(移設)ができるのか?気になるところだと思います。
そこでユニットバスの専門家である私が再利用(移設)のメリットとデメリットをご紹介します。
ユニットバスは再利用できる?
ユニットバスの再利用(移設)はできます。ただしいろいろと制約がでてきます。
消耗部品の交換は必要になります。その他の部材はそうそう傷むものではないです。設置から数年であれば、再利用(移設)はできます。
消耗部品にはパネルとパネルを固定して防水する目地材があります。パネルと天井の間の目地材とその他に給水給湯のつなぎ目とシャワーのパッキンです。
消耗部品では無いですが窓接続枠は設置場所が変更されれば奥行きが変わるので交換は必要です。窓接続枠材はユニットバスがモデルチェンジしても互換性が有りメーカーを問わず使える部材です。
部材に傷みが発生していなければそのまま使用できます。傷んだ部材は新しい部材と交換すれば問題ないです。
移設する場所の窓の位置 大きさは移設前と同じになります。ユニットバスの入り口も同じくなります。ユニットバスの設置面から床仕上り面の高さまでもだいたい同じくします。
移動前と移動後は同じ入口と窓の大きさになります。パネルが加工済みで、パネルの収まる位置が決まっています。窓のパネルも加工済みの為、窓の位置と大きさが決まってしまいます。変更するにはパネルの交換が必要です。パネル交換してまでの再利用はメリットが無いです。
いろいろと制約は出てきますが再利用(移設)はできます。消耗部品の交換は必ず必要です。
ユニットバスの再利用(移設)のメリットとしては、ユニットバス代がほとんどかからない為、その分安くすることができます。
ユニットバス再利用時のデメリット
ユニットバスは設置して固定してますからこれを解体するとき部材が傷むリスクがあります。
コーキングしてあるところは、カッターナイフで切っていきます。この時他の部材を傷つけないようにします。
一度コーキングした所はなかなかきれいにはならないので、再コーキングは前の様には仕上らないです。
仕上りは、最初に組みあがった時の様にきれいにはならないです。
解体工事にパネルが傷つかない様にしてますが、歪みがでる時があります。コーキング部分をきれいにはがしても新品の様にきれいにならないです。取り切れず残っているシリコンの上からその場所を再度コーキングしますが、仕上り面がでこぼこになったりします。
メーカーの保証がなくなる
メーカーは再利用(移設)については、保証の対象外です。新品を設置した状態ではないのでメーカー保証はないです。
新品を設置した状態から解体して再設置します。この再設置作業により最初に設置した時より水漏れのリスクが高くなります。
解体作業をすることにより、ビスの効きがよくなかったりします。コーキングを切って解体しますがコーキング後はきれいには剝がれないです。再コーキングは気を付けて作業しないと水漏れのリスクが高くなります。
再利用(移設)は解体作業がはいりますから、新品を設置した状態の様な仕上りにはならないです。水漏れのリスクが高くなりますからメーカーの保証は対象外です。
新品のユニットバスを設置した状態でのメーカー保証は、どのメーカーもだいたい水漏れ保証が5年です。それ以外は2年です。電化製品は1年です。
水漏れのリスクが高まる
やはり解体作業により緩みなどが発生することにより水漏れのリスクは高くなります。
解体作業をすることで、全体的にゆるみがでるようです。新しい目地材を使用してパネルを固定していきますが新品を組み立てする時より目地材が入りやすくなります。
再設置作業は比較的作業はやり易いです。一度組んでくせがついているので組み立ては楽です。その分水漏れのリスクが高くなりやすいです。
再利用(移設)は解体作業により水漏れのリスクが高くなります。
既存ユニットバスを再利用する場合の注意点
ユニットバスが何年経っているかにより、メーカーにどこまで部品の供給ができるのか気になるところです。
部材の供給ができるかメーカーに確認が必要です。消耗部品がなければ現行品の部材が使えるかどうか確認は必要です。
窓枠材は現行品でも問題無く使えます。目地材は変更してる場合があるので目地材の供給ができるかメーカーに確認が必要です。
ユニットバスが何年経っているのか。部品部材がどこまで供給できるかにより再利用(移設)ができるかどうか決まってきます。
部品を交換しておく
消耗部品の交換は必ずします。天井目地材、パネル目地材、窓枠材は再利用はできないので交換します。
消耗部品をそのまま再利用すると仕上りも悪いし水漏れの原因になります。
パッキンは交換は必要です。長年使っていると固くなり水漏れの原因になります。パッキンや目地材は消耗部品なので必ず交換が必要です。
消耗部品は再利用はできないです。再利用すると水漏れの原因になります。
コーキングをしっかりと
コーキングはしっかりとしないと水漏れのリスクが高くなります。
再利用(移設)は解体、再設置作業により全体のゆるみがでます。しっかり防水させる為にシリコン(コーキング材)を新品を組む時よりも多く使う必要があります。
コーキングをしてもよく見ると、気泡により穴が空いたようになったところがでてきます。コーキングは多く入れるようにして押し込みます。コーキング後によく確認が必要です。
新品の商品にコーキングする時よりも、多くコーキング材を入れるようにしてしっかりコーキングをします。
移動するには床下の高さが必要?
排水の勾配をとる為に床下の高さ必要です。また床下には排水と給水給湯の配管があります。
床下には排水管がありますが高さがないと勾配がとれず流れが悪くなります。給水給湯管は床下に配管されています。また床下に潜れるように床下を高くすることでメンテナンスがしやすくなります。
床下が低いと排水管の勾配がとりずらくなります。すると、流れが悪くなり排水管の詰まりの原因になります。再利用品(中古品)なので、水漏れした場合に対応できるように床下を高くしてメンテナンスしやすくします。
排水管の勾配をとり水の流れを良くする為にも、メンテナンスをしやすくする為にも床下を高くします。
既存ユニットバスを再利用できる目安年数は?
ユニットバスの耐用年数は一般的に15年~20年と言われています。耐用年数から考えると新品~5年位までかなと思います。
耐用年数からみていくと、5年後に移設しても10年~15年使うことができます。また消耗部品の供給をしてもらう為にも、あまり年数が経ちすぎている物は再利用はしないほうがいいです。
部品部材の供給をしてもらうためにも5年落ち位までの方がいいです。移設後の耐用年数から5年落ち位までだと、残り10年~15年位使えます。
あまり年数が経ちすぎてる物は再利用しないほうがいいです。5年落ち位までで考えてみるといいです。
再利用(移設)の工事をした時、窓開口部をそのまま利用する予定だったが開口部の真ん中に柱が有り取り外すことができませんでした。窓を小さくして残りの開口部をキッチンパネルを利用して開口部を塞いだことがあります。
コーキングをしっかり打ち込んで防水性落ちないように加工しました。年数が経ち過ぎていたので、パネルを新たにとることができなかったです。
風呂・浴室のユニットバスを移動する費用
リフォーム工事又は新築工事で浴室工事代(木工工事、設備工事、電設工事代)は新品を付けても再利用(移設)でも変わらないです。変わるのは解体工事代、移送代、ユニットバス代です。
ユニットバス移設にかかる費用は、解体工事代と移送代と組立工事代がかかります。それでも新品を取り付けるよりは安くなります。
私が工事した時は解体工事代は組立工事代と同じでした。移送代はユニットバス組立業者が運搬して移送代はサービスです。
なのでこのときは工事代はだいたい解体工事代と組立工事代合わせて10万円位です。メーカーにより解体費用と運搬費は変わるので確認が必要です。
メーカーにより変わりますが私が工事した物件は、ユニットバス(中古品)代と解体費用と組立工事代です。新品を入れるよりはだいぶ安いです。ただしメーカー保証は付かないです。
まとめ
ユニットバスの再利用(移設)する事で新築及びリフォームの費用を安くできます。このときユニットバス代を抑えることができます。安く取り付ける事はできますが、メーカーの保証は付かないです。水漏れのリスクも高いです。
ユニットバス再利用(移設)は自己責任ですることになります。
どうしてもいくらでもいいから安くしたいなら、再利用(移設)もありです。